【怖い話】終わらない

短編の怖い話



友人のケンジとミホは、夜、よく都市伝説の話をしていた。ある日、ミホが「ひとりかくれんぼ」に挑戦しようと提案した。彼らは興奮しながら手順を調べ、その夜、ケンジの家で挑戦することにした。

手順通りに、ぬいぐるみを人形に見立て、中身を取り除き、お米を詰め、糸でしっかり縫い上げ、人形に名前を付ける。彼らはその人形に「ユリ」と名付けた。

ゲーム開始。ケンジがユリを風呂場に置き、ナイフで刺しながら「ケンジが先に隠れるよ」と宣言。彼はミホとともにリビングで10分待機した。

時間が来たので、二人はユリを探しに行く。風呂場のバスタブに、水が溜まっていた。その中に、ユリが浸かっていた。ミホがユリを取り上げ、「私たちの番だよ」と宣言。

しかし、時間が経っても何も起こらず、二人は安堵する。そろそろ終わりにしようと決めた時、ケンジの部屋の扉がゆっくりと開いた。そこには、ユリが立っていた。

恐怖に震える二人。ケンジは急いでユリを取り、ナイフで何度も刺し「ゲーム終了!」と叫んだ。

ところが、その夜、ケンジとミホは眠れなくなった。窓の外や部屋の隅から、小さな手がのぞいたり、子供の笑い声が聞こえてくる。彼らは怖くて動けなくなった。

翌朝、ケンジの母がケンジとミホを起こそうと部屋を開けると、部屋の中央にはユリが座っていて、ケンジとミホの姿は見当たらなかった。二人の所在はわからず、警察も手がかりを掴めなかった。

数年後、新しい住人がケンジの家に引っ越してきた。子供部屋のクローゼットの奥から、古びたぬいぐるみが見つかった。それは、ケンジとミホが使用した「ユリ」だった。そのぬいぐるみの背中には小さな文字で「次はお前の番だ」と書かれていた。



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