春になると、各家庭に緑色の四つ葉のクローバーを模した可愛らしい手紙が届く村があった。この手紙は「よつばの手紙」として村中で知られていた。
よつばの手紙の内容は毎回異なるが、それを受け取った人にとって大切なメッセージが記されており、とても尊重されていた。しかし、この手紙の差出人は一度も見つかっていない。
ある日、私の家にもそのよつばの手紙が届いた。中には「思い出の場所で待っています」と書かれていた。私にとっての思い出の場所と言えば、小さい頃に遊んでいた、あの川辺だ。
日が暮れかけのころ、私はその川辺に足を運んだ。すると、そこには10年前に亡くした妹の姿が。彼女は今でも7歳の姿で、微笑んで手を振っていた。私は驚きと感動で、涙があふれた。
「お兄ちゃん、待ってたよ。」と彼女は言った。「でも、泣かないで。私はここで幸せに過ごしてるから。」
私たちは川辺で数時間、昔の思い出話をした。彼女は私が忘れていた大切な思い出や、家族の愛を思い出させてくれた。
夜が更けてきて、「もう帰らなきゃ」と妹は言った。彼女は、よつばの手紙を私に手渡して、「これを家族に渡してね。」と告げた。私がその手紙を開けると、中には「家族の絆は永遠です。私を忘れないでください。」という言葉と、家族全員の幼少時代の写真が添えられていた。
私は涙を流しながら、妹の透き通った姿を見つめた。「ありがとう、もう一度家族を大切にするよ」と私は言った。
妹は笑顔で「約束だよ」と言い、ゆっくりと霧の中へと消えていった。
翌日、私は家族にその出来事を話し、よつばの手紙を見せた。家族は涙を流しながら、妹の思い出を語り合った。私たちは再び絆を深め、愛を確認し合った。
このよつばの手紙の奇跡に感謝しながら、私たちは毎年、妹との再会を楽しみに、その川辺を訪れるようになった。