カズキとユミが車を運転していると、カーナビが突如、未知の目的地を指示し始めた。彼らは興味本位でその場所に向かうことにした。
指示通りに進んでいくと、人気のない古びた道へと導かれた。とうとう、目的地として指定された場所に到着すると、そこは古い墓地だった。墓石が整然と並ぶ中、一つだけ新しい墓石が目に入った。
ユミはその墓石に書かれた名前に気付く。それはユミの名前だった。
驚きのあまり、二人は車に戻ろうとしたが、その時、帽子をかぶった女が墓地の奥からゆっくりと歩いてきた。彼女の動きは異様で、くねくねとした動きで彼らに近づいてくる。
ユミは絶叫し、カズキは急いで車のエンジンをかけた。しかし、車は動かない。窓の外から、帽子をかぶった女の手が伸びてきて、ゆっくりとドアのノブに手をかけた。
その瞬間、カーナビの声が再び響いた。
「目的地に到着しました。」
二人がその新しい目的地に到着すると、それは廃墟となった古い家だった。家の前には、先ほどの帽子をかぶった女がいた。彼女は鬼のような形相でくねくねと動きながら彼らに再び近づいてきた。
二人は車を降り、森へと駆け込んで逃げた。翌日、その場所には、墓地も廃墟の家も、何もかもが消え去っていた。
ただ一つ花の供えられた墓石だけがたっていた