【怖い話】ベッドの下

短編の怖い話



高校生の純は、新しい一人暮らしの部屋に引っ越して一週間が経った。新しい部屋は都心から少し離れた閑静な場所にあり、賃料も安く、彼女にはちょうど良い環境だった。

しかし、一つだけ気になることがあった。夜、ベッドの下から小さなギシギシという音が聞こえることがあった。最初は部屋の音だろうと思っていたが、日が経つにつれ、その音がはっきりとしてきた。

ある夜、純はその音に我慢ができず、ベッドの下を覗く勇気を持った。だが、何も見当たらなかった。心を落ち着かせようと思い、再びベッドに戻った。しかし、眠ることができず、ギシギシという音はさらに大きくなり、今度は何かがベッドの周りをうろついているような気がした。

翌日、純は家主にそのことを相談することに決めた。家主は若い女性で、彼女の話を真剣に聞いてくれた。そして、その部屋の前に住んでいた人のことを語り始めた。

「前にこの部屋に住んでいたのは、一人の中年の男性で、彼は夜中によく部屋の中でうろついていたそうです。ある日突然、彼は姿を消してしまいましたが、その後、彼の姿を見たという話は一度もありません。しかし、その後も夜中にベッドの周りをうろつく音がするという噂は聞いたことがあります。」

純は恐怖で身体が固まった。その晩、再びベッドの下の音が聞こえ、今度は確かに何かがベッドの上を這いずり回っているような音も混ざっていた。純はパニックになり、急いで部屋を飛び出し、隣の部屋の住人に助けを求めた。

二人で部屋に戻ると、部屋の中には何も異変はなかったが、ベッドの下には小さな人の形をした足跡が数多く残されていた。

純はその日を境にその部屋を出て、新しい場所へと移り住んだ。そして、彼女がその部屋を出た後も、ベッドの下の音がするという噂は今でも続いている。



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