【怖い話】一人かくれんぼのルール

短編の怖い話



ある日、ユキコはネットで「一人かくれんぼ」という儀式を知った。この遊びのルールは、古びた人形に自分の髪の毛や爪を入れ、深夜にそれと「かくれんぼ」をするというものだった。伝えられるところによれば、この儀式を成功させると、人形が霊の力で動き出すという。

興味を抱いたユキコは、この遊びを試してみることに決めた。彼女は古びたぬいぐるみを見つけ、自分の髪の毛を縫い込み、名前を「リオ」と名付けた。夜中の2時55分、ユキコは深呼吸をし、「私とリオでかくれんぼをする」と三回宣言し、リオを隠した。

全ての電気を消し、彼女はリオが隠れている場所へと進んだ。そして、「リオ、あなたが鬼だ」と三回繰り返し、リオを別の場所へ移動させた。ユキコは急いで自室に戻り、布団に隠れ、待ち構えた。

数分後、ユキコの家に奇妙な足音が響き渡った。驚いて布団から顔を出すと、廊下の明かりがぼんやりと点滅しているのが見えた。そして、彼女の部屋のドアがゆっくりと開いてきた。ユキコは恐怖で息を殺し、目を閉じた。

しばらくの間、何も音がしなかったが、突然、彼女の耳元で「見つけた」という低い声が聞こえた。ユキコは恐ろしさで身動きできなくなり、涙が溢れた。その後、部屋の電気が点灯し、ユキコは布団から出て部屋を見渡した。そこには何も見当たらず、リオもそのままの位置にあった。

安堵したユキコは、リオに向かって「ゲームセット」と宣言し、彼女の髪の毛を人形から取り除き、儀式を終えた。

数日後、ユキコは友人のマキにこの儀式のことを話した。マキは興味津々で、次の週末には彼女の家で同じ儀式を行うことになった。その日、ユキコはマキの家を訪れ、彼女が用意した人形に儀式を行った。

しかし、何も起こらず、二人は笑って帰宅した。その夜、ユキコは自分の部屋で就寝したが、深夜、彼女の耳元で「見つけた」という声が再び響き渡った。ユキコは目を覚ますと、彼女の顔のすぐ前に、マキが用意した人形が浮かんでいた。

ユキコは叫びながら部屋を飛び出し、両親の部屋へ駆け込んだ。しかし、その部屋の中には、同じ人形が何十体も並んでおり、中央にはリオが座っていた。彼はユキコの方をゆっくりと向き、にっこりと笑った。

「私たちともう一度、かくれんぼをしよう。」



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