都市伝説や廃墟探索が趣味の真紀は、友人たちと町の外れにある古い廃墟へと足を運んだ。その廃墟は昔、何らかの研究所だったとの噂があったが、正確な情報は誰も知らなかった。
ビルの中は時の流れを感じさせる老朽化が進み、多くの部屋や廊下が闇に包まれていた。真紀たちは、手にした懐中電灯の光を頼りに、ビルの奥深くを探索し始めた。
そして、深い地下の階に辿り着いたとき、彼らは大きな扉を見つけた。扉には「実験室」というラベルが付けられていた。好奇心からその扉を開けると、中は異様な雰囲気で、古い実験器具や試験管が残されていた。壁には多くの研究ノートが掲示されており、その内容は信じられないものだった。人間の体を対象にした禁断の実験が繰り返し行われていたことが記されていた。
さらに、そのノートの中には、実験の結果として「被験者は狂気に取り憑かれ、予期せぬ事態となった。実験の中止を推奨する」と書かれていた。真紀たちは、この場所がなぜ放棄されたのかを察知し、怖さで身体が震え始めた。
そのとき、真紀の足元から異様な冷気が立ち上り、奥の暗がりから人の影がゆっくりと近づいてくるのを感じた。その影はゆっくりと彼らの方に向かってきた。その影を見た瞬間、真紀たちは恐怖で足が竦んでしまった。影は、実験の被験者であったことがわかるような変わり果てた姿だった。
真紀たちは必死で逃げ出そうとしたが、出口までの距離は遠く、被験者たちに追いつかれてしまう。友人の一人が被験者に捕まり、彼らの前で狂気に取り憑かれたような姿で消えてしまった。
残された真紀たちは、実験室の外へ出ることは叶わず、そのまま廃墟とともに闇の中に消えていった。