田舎の小さな村に、古びた神社があった。都会で働く梓は、幼少期を過ごしたこの村に帰省することになり、子供の頃の友達、勇輝と久しぶりの再会を果たした。
「梓、覚えてる?あの古神社でよく遊んだよね?」勇輝は言った。
梓は微笑んだ。「そうだね。でも、あの神社、何か変なウワサがあったような…」
勇輝は顔をしかめた。「うん、地元の人たちが、夜中に神社に行くと、先祖の霊が現れるとか、奇妙なことが起こるとか言ってたよね。」
「夜の神社に行ってみる?」梓は冗談交じりに提案した。
夜、二人はライトを持って神社へと向かった。参道を進むと、風鈴の音が響き、ゆらゆらと不気味な雰囲気が漂っていた。社殿前には、奇妙なお供え物が置かれていた。古びた人形や、黒い帯、そして真新しい写真一枚。
勇輝は写真を手に取り、驚きの表情を浮かべた。「これ、梓…。」
梓は写真を覗き込むと、そこには自分の姿が写っていた。しかも、背後には、透明な姿の女の影が…
「これは、どういうこと?」梓はパニックになりながらも写真を持ち帰ることにした。
二人が帰宅した後、勇輝の家で写真を詳しく調べると、背後の女の影は梓の先祖に似ていた。勇輝は語った。「この村には伝承があって、先祖が現れるというのは、次の犠牲者を選ぶためだと言われている。」
梓は冷や汗を流しながら、「それは、私が次の犠牲者?」と尋ねた。
勇輝はうつむき、言葉を選んで言った。「もしかしたら…」
その夜、梓は一睡もできずにいた。突然、部屋の窓に何かが叩かれる音が。怖くても窓の外を見ると、先祖の姿が微笑んで立っていた。そして、彼女の背後には、新たな影が…
梓は怖さのあまり、意識を失った。翌朝、勇輝が梓の家を訪れると、彼女の姿はなく、部屋の隅には新たな写真が。勇輝の写真だった。
背後には、梓の姿が微笑んで写っていた。
「次はお前だ!」という声が、部屋の中に響き渡っていた。