昔々、田舎の小さな村にある家に、ある日突然、未知の差出人からの手紙が届いた。届けられたのは優しく、ちょっと天然な妹・ミユキの元だった。
手紙には、「ミユキさんへ、あの日の約束を覚えていますか?来週の金曜日、月見の丘でお待ちしています。- 愛をこめて、カナ」 と書かれていた。しかしミユキは「カナ」という名前の人物を覚えていなかった。
兄である私は、何か詐欺ではないかと心配し、金曜日の夜、月見の丘にミユキを伴って行くことにした。
夜の月見の丘は不気味な静寂が広がっていた。しばらく待っていると、霧の中から一人の少女が現れた。それは、ミユキが子供の頃に亡くなった幼馴染のカナだった。
「ミユキ、待ってたよ」とカナは微笑むが、その背後には無数の霊たちが浮かんでいた。それらの霊たちは、生前にカナとミユキが遊んでいた友達たちだった。
恐怖に駆られた私は、ミユキを連れて逃げようとしたが、ミユキは「待って」と言って、カナのところに進んでいった。
カナはミユキの手を取り、「私たちと一緒に遊んで」と囁いた。その時、私の目の前でミユキとカナ、そしてその他の霊たちが、青白い光とともに霧の中へと消えていった。
絶望に打ちひしがれる私。しかし、その場所には再び手紙が落ちていた。開けてみると、中には「兄さんへ、ありがとう。カナたちとの約束、私が果たすことができました。でも、心配しないで。いつか私たちはまた、普通の日々を過ごすことができると信じています。だから、その時まで私を忘れないでね。- 愛をこめて、ミユキ」 と書かれていた。
その後、私はその家を離れ、都会で新しい生活を始めた。しかし、ミユキの言葉を胸に、彼女と再び会える日を信じて生きている。
心霊の地獄のような出来事を経ても、ミユキの優しさと愛は、私の心に深く刻まれている。