【怖い話】永遠のトンネル

短編の怖い話



山奥にある「霧ノ宮トンネル」。このトンネルには、入ってから出てこれないという噂が町で囁かれていた。しかし、若者たちはそれを都市伝説として楽しんでおり、夜のドライブスポットとして度々訪れていた。

ある夜、大学生の優希と翔太は、そのトンネルの噂を確かめるために車で訪れることになった。二人はわくわくと興奮して、トンネルの入口に到着。真っ暗なトンネルを前にして、翔太はエンジンをかけ、車のライトをつけて進んでいった。

トンネル内は静寂が広がっており、わずかにエンジン音とタイヤの音だけが響いていた。ところどころに設置された古びた電灯が点滅しながら道を照らしていた。数分進むと、二人は奥の明るさが見えてきた。「もうすぐ出口だね」と優希が言うと、翔太も安堵の表情を浮かべた。

しかし、車を進めるにつれ、その明るさは消えてしまった。そして、また新たなトンネルの入口が見えてきた。二人は顔を見合わせ、不安を感じながらも再びトンネルを進むことに。

時間が経ってもトンネルの出口は見えてこず、翔太は焦りを感じ始めた。「こんなに長いトンネルなんて聞いたことがない」と優希が呟くと、翔太も頷いた。そして、彼らは何度も同じような景色を繰り返していることに気づいた。

突然、車のラジオが自動的について、女性の歌声が流れてきた。その歌詞は「永遠に続くトンネル、出口はもうない」というものだった。二人は恐怖に打ち震えた。

優希が車の窓を下げると、冷たい霧が車内に入ってきた。そして、遠くから女性の笑い声が聞こえてきた。翔太はパニックになり、車をバックしてトンネルを逆走し始めた。しかし、どれだけ戻っても、同じ景色が繰り返され、出口は見えてこなかった。

夜が明け、町の人々が心配して二人を探し始めた。そして、霧ノ宮トンネルの入口で翔太の車が見つかった。しかし、中には誰もおらず、車のラジオからは、女性の歌声が延々と流れていた。



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