町の郊外に住む和也は、ある冬の日、家へ帰る途中で特異な足跡を目にした。雪がしっかりと積もった道を歩く足跡。それ自体は特別ではなかったが、その足跡が突然道の中央から始まり、彼の家の前まで続いていることに驚愕した。
警戒しながら家に入った和也だが、中は何も変わった様子はなかった。しかし、不安に思い、夜、全ての窓と扉を鍵で施錠した。
翌朝、和也は外に出ると、前日の足跡がそのまま残っていることに気づいた。そして新たな驚きとして、その足跡が家の中へと続いていることを発見した。まるで家の中を歩いて部屋に入り、再び外に出ていったかのようだった。
警察に連絡し、捜査を依頼したが、足跡の主は見当たらず、何の手がかりも得られなかった。和也はますます不安になり、防犯カメラを取り付けることを決意した。
翌日も、そしてその次の日も、新しい足跡が和也の家の中を歩き、外へと続いていた。どこから来て、どこへ行くのか。その謎は深まるばかりだった。
ある晩、和也がリビングでテレビを見ていると、突然部屋の隅でゆっくりと足跡が現れ始めた。その足跡は和也の方へと近づき、彼の足元で止まった。和也は凍りつくような恐怖を感じながら、そっと視線を上げた。しかし、何も見えなかった。
霊感が強いと評判の女性を訪ねると、彼女は「あなたが見ているものは、過去の出来事の痕跡。しかし、これ以上近づけばあなたも危険」と警告した。
和也はその夜、家を離れ宿泊施設に身を寄せた。すると、宿泊先の部屋の床にも、同じ足跡が現れた。彼は逃げるように部屋を出た。そして外で振り返ると、宿泊施設の窓から、自分を見つめる影がいた。