​【怖い話】赤い家の真実

短編の怖い話



都市伝説として名を馳せる「赤い家」として知られる場所が、都市の外れにひっそりと建っている。30年前、家族5人が惨殺される事件が起きたとされている。その事件の真相を知りたいという興奮と好奇心で、私と友人たち数人は肝試しとしてその家へ足を運ぶことになった。

夜10時、我々は赤い家の前に立った。破れた門を開けると、家の中から何かを訴えるような冷たい空気が漂ってきた。友人たちは怯えつつも、一歩ずつ家の中へと足を踏み入れた。家の中は朽ち果てていたが、家具や写真などの生活感はそのままに残っていた。

家の中を散策し始めると、一つの部屋に特に引き寄せられるような感覚があった。その部屋の壁には、家族の写真が額縁に入れられて飾られていた。額縁には、父、母、そして3人の子供たちの顔が収められていた。しかし、その顔たちは何故か皆怒っているように見えた。

友人の一人が手を伸ばして、額縁を取ろうとした瞬間、部屋の電気が突如消え、真っ暗闇になった。我々は恐怖に震える中、懐中電灯で照らしながら家の外へと逃げ出した。

その夜、私は恐怖の記憶を忘れるためにすぐに眠りについた。しかし、夢の中で再びあの赤い家の中にいる自分を見ていた。そして、額縁に飾られていた家族の顔が、私をじっと見つめていた。顔たちは怒りとも悲しみともとれる表情で、私に何かを訴えるようだった。

目を覚ますと、私は赤い家の中のあの部屋にいた。私の腕には鋭利な刃物が突き刺さっており、血が床に滴り落ちていた。そして、その部屋の窓の外から、家族の怒った顔がじっと私を見つめているのが見えた。

部屋の中には赤い文字で「我々の怒りは晴れない」と書かれていた。私はその場で意識を失い、次に目を覚ました時、私は自宅のベッドの上だった。しかし、私の腕には刃物の刺さった痕が残っており、真実と夢の境界がどこにあるのか分からなくなってしまった。



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