新たな人生のスタートを切るため、亜矢は郊外の古びた一軒家に引っ越してきた。家は古く、多少の補修が必要だったが、安価で手に入れることができ、彼女は満足していた。
数日後、リフォームのために壁紙を剥がしていると、亜矢は壁の隙間に隠された赤い封筒を見つけた。封筒を取り出して開けると、中には古びた手紙が入っていた。手紙は、かつての住人である誠から後世の人々に向けての警告のような内容だった。
「この家には禁断の秘密があります。私が過ごしていたころ、夜な夜な不可解な現象に遭遇しました。物音、囁き声、そして見えない何かに触れられる感覚…。これを読んでいるあなたも、すでに何かを感じているかもしれません。私の経験から言うと、その感覚はあなたの感じる恐怖よりももっとリアルで危険です。あなたがこの手紙を読んだ時、その存在もすでにあなたを狙っているでしょう。逃げることをおすすめします。」
亜矢はこの手紙を読んだ時、冷たいものが背中を這う感覚を覚えた。最初は単なる都市伝説やジョークだと思っていたが、その夜から彼女の周りで不可解なことが起こり始めた。
夜中、彼女は誰かが家の中を歩く音を聞いた。調べると、玄関のドアの前には、何者かが家の中に入ろうとする影が見えた。恐怖に駆られる亜矢は、すぐに警察に通報したが、彼らが到着する前にその影は消えていた。
次の日、亜矢は再び赤い手紙を手に取った。しかし、手紙の内容は前日とは異なっていた。
「あなたはすでにその存在に気づかれています。逃げるのはもう遅い。」
亜矢は再び手紙の内容に戸惑った。どうして手紙の内容が変わっているのか、そして誠は本当に何を警告していたのか。彼女は次第に家の中での恐ろしい現象に巻き込まれていき、とうとう彼女もその家とともに消えてしまった。