昔から、一つの都市伝説が、特定の学年の生徒たちの間で囁かれていた。それは、夜中にあるサイトを開くと、突如現れるポップアップ「赤い部屋を見たいか?」というメッセージのことだった。多くの生徒はその都市伝説を真に受けておらず、ただの噂話の一つとして扱っていた。
ところがある日、健太という高校3年生が友人たちの前で、そのサイトにアクセスすることを宣言した。夜中、彼の部屋の電気がつき、パソコンの明かりだけが部屋を照らしている中、健太はそのサイトを開いた。そして、彼の前には予想通り、「赤い部屋を見たいか?」というメッセージがポップアップとして現れた。
興味本位でそのメッセージをクリックすると、画面が真っ赤に染まり、その中央には小さな画像が表示されていた。彼はその画像をクリックして拡大すると、その中には彼自身の顔が映し出されていた。しかも、彼の顔は血塗れで、恐ろしい表情をしていた。
彼は恐怖でパソコンを閉じ、すぐに部屋の電気をつけた。しかし、その時、彼の背後から聞こえてきたのは、彼自身の声だった。
「赤い部屋を見たかったんだろ?」
健太はその場で気を失い、次の日、彼の部屋の壁全体が真っ赤に染まっているのを家族が発見した。彼の姿はどこにも見当たらなかったが、部屋の一角には彼の顔だけが映し出されている画像がパソコンの画面に表示されていた。
以後、彼の学校では、この都市伝説を信じる生徒が増え、健太の消息は未だにつかめていない。