祖父が亡くなった後、真紀は家族とともに遺品整理をしていた。その中に、古いカセットテープが見つかった。ラベルには「真紀へ」と書かれていた。
家に帰って、真紀はカセットテープを再生してみた。最初は、祖父のやさしい声で「真紀、これを聞いてくれることを願っています。私が亡くなった後、あなたに知ってもらいたい真実がある」という言葉が流れた。
テープの内容は家族の歴史や、何世代も前の祖先にまつわる秘密が詳細に語られていた。そして、その秘密には家族に伝わる呪いが関係していた。
呪いの内容は、家の長男には恐ろしい運命が訪れるというものだった。真紀は家の長男である。そして、その運命は祖父の死後、次の満月の夜に訪れるとされていた。
真紀は霊感が強いと言われる友人の綾香に相談した。綾香はテープの内容を聞いて、顔色を失った。そして、「これは… あなたにとっては避けられない運命かもしれない」と告げた。さらに、彼女の体調が急激に悪化し、「あなた、あと〇日で…」と言い残し、その場で倒れてしまった。
真紀は呪いを解くための方法を探し始めたが、次の満月の夜が迫っていた。そして、その夜、家の中に異様な空気が流れ始めた。
夜中、真紀の部屋に突如として風が吹き込んできた。窓の外には、祖父の姿が浮かび上がり、冷たい眼差しで真紀を見つめていた。そして、祖父の口からは「運命は変えられない」という声が聞こえた。
翌朝、真紀の姿を再び見た者はいなかった。家の中にはカセットテープだけが残されていた。