都会の中心にあるアンティークショップで、アヤは大きな古びた鏡を見つけた。その鏡は彼女にとって、どこか懐かしさを感じさせるもので、即座に購入を決めた。鏡を自宅のリビングに設置したアヤは、その美しいデザインと深みのある反射に魅了されていた。
しかし、鏡を手に入れてから、夜中に鏡の前で自分の姿が微動だにせずに立っている夢を繰り返し見るようになった。その夢の中で、アヤは鏡の向こうに異次元のような場所が広がっていることに気づく。彼女は夢の中で鏡の世界に手を伸ばそうとするが、毎回目が覚めてしまう。
ある晩、アヤは友人のミキを自宅に招き、鏡のことを話すことにした。ミキはアヤの話を聞きながら、鏡に近づき、その表面を指でなぞった。すると、鏡はゆっくりと霧がかかるようになり、その中には別の風景が浮かび上がった。二人は驚きのあまり、後ずさった。
鏡の中の風景は、どこか時代が古い村のようだった。そして、その村の中には、アヤとそっくりな女性が泣いていた。ミキは鏡に手を触れると、彼女の手は鏡の中に吸い込まれた。慌てて引き戻そうとしたミキだったが、全身が鏡の中に引きずり込まれてしまった。
アヤはパニックに陥りながら、鏡の中に消えたミキを探した。鏡の世界には時間の流れが異なり、アヤは数日のように感じた時間を過ごした。最終的に、アヤはミキとともに現実の世界に戻ることができた。
二人が戻ってきた現実の世界では、たった数分しか経っていなかった。ミキとアヤは、鏡の力を恐れ、すぐにアンティークショップに返却しに行くことを決意した。
ショップの主人は二人の話を静かに聞き、「その鏡は、過去の時代と現代をつなぐ特別な力を持っています。過去の自分と向き合うことで、現代の自分をより深く理解することができる」と語った。
アヤとミキは、鏡の力を封印するための儀式を行い、再び鏡の世界に引きずり込まれることがないようにした。しかし、その後も二人は、過去の自分との出会いを通じて、自分自身を深く理解することができるようになった。