友人のサトシとミユキ、そして私、アキラの3人で、夏休みの宿題の一環として「都市伝説」をテーマに取り組むことになった。その中で、私たちは「コックリさん」を再現してみようと考えた。
「これ、昔からある遊びでしょ。大丈夫だよ」とサトシは言ったが、ミユキは少し不安そうだった。「本当に大丈夫?」と彼女が問うと、「大丈夫だって。ちゃんと終わりの儀式もやれば」と私は答えた。
私たちが用意したのは、紙に書かれた「はい」「いいえ」、そして硬貨。そして、一つのロウソクで、部屋を照らしていた。
「コックリさん、コックリさん、いらっしゃい。私たちとお話してください」と私が呪文を唱えると、硬貨はゆっくりと動き始めた。
「本当に答えてる…」とミユキが驚いた声を上げた。質問を続ける中、私たちは、この「コックリさん」が50年前にこの家で住んでいた女性、キヨさんであることを知った。
しかし、その後の答えがだんだんと不気味になっていった。「キヨさん、あなたはどうしてこの世を去ったの?」とミユキが質問すると、硬貨は「うらみ」の文字に向かった。
次に、私が「うらむ人は誰?」と質問すると、硬貨は一瞬停止した後、ゆっくりと「アキラ」の文字の上に移動した。私の名前だ。
「冗談じゃないよ、アキラ。動かしたでしょ?」とサトシが言ったが、私は動かしていない。実際、私はその答えに震えていた。
私たちは速やかに終了の儀式を試みたが、硬貨は動かない。部屋の中は次第に冷えていき、ロウソクの灯りも揺らぎ、突然消えた。
真っ暗な中、ミユキが「何かが後ろに…!」と叫んだ。私たちが慌てて懐中電灯を点けると、部屋の隅に、昔の和服を着た女性の姿が。彼女の瞳は真っ赤で、私たちに向けられていた。
「私は、アキラの祖母、キヨ。うらんでいる…」その声は部屋中に響き渡った。私は、この家の前の住人が祖母だったことを初めて知った。私たちは、その場から逃げ出した。
翌日、私たちはその家に再び足を運ぶことはなかった。しかし、私の心の中には、祖母キヨの赤い瞳が、いつまでも焼き付いて消えることはなかった。