【怖い話】電話

短編の怖い話



深夜、ゆりは友達の瑞穂との長電話に夢中だった。窓の外は真っ暗で、部屋の中もゆりの声と携帯の光だけが照らす、そんな中で瑞穂の言葉に驚きの声を上げる。

「ゆり、今、女の声、しなかった?」

ゆりは驚いて部屋を見渡した。「いないよ、私一人だけだよ。」

瑞穂は不安げに、「でも、はっきり聞こえた…」と言う。その後も何度かその声が瑞穂の耳に届き、ゆりは部屋にいるのに一人でないような気がしてきた。

その声は徐々に近づいてきているように感じられ、突如としてその声が耳元で「ここにいるよ」と囁くように聞こえた瞬間、瑞穂が恐怖に打ち震える声で叫び、電話が切れた。

ゆりは震えながら、すぐに霊感の強い千夏に連絡を取ろうとした。しかし、電話のスピーカーからは不自然なノイズと共に、先ほどの女の声が聞こえてきた。「離れて…」という言葉の後、突然、部屋の電気が消えた。

真っ暗な中、ゆりは手探りでスマホのライトをつけると、部屋の隅に女の影が浮かんでいるのが見えた。その影はゆっくりと動き、ゆりの方に近づいてきた。

ゆりは恐怖で叫びながら部屋を飛び出し、家を出た。霊感のある千夏にすぐに連絡し、その後、二人で家に戻って確認すると、影や声の気配はなくなっていた。

翌日、家の前に瑞穂が訪れた。彼女は夜中、不自然なノイズと共に「ゆりの家に行くな」という女の声を何度も耳にしたと言った。その後、近所の老人から、以前この家に住んでいた女性が突然姿を消したことを聞かされ、二人はその女性の声だったのではないかと推測した。

ゆりはその家を出ることに決意し、二人はその後も夜中の女の声を二度と耳にすることはなかった。



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