【怖い話】​ひとりかくれんぼの後遺症

短編の怖い話



「ひとりかくれんぼ」— そんな言葉をSNSで見かけたのは、マイコが高校2年生の夏のことだった。彼女は超常現象や都市伝説に興味があり、すぐに詳細をリサーチした。人形に自分の髪の毛や爪を詰め、特定の儀式で人形を「鬼」とし、深夜にかくれんぼをするというものだった。

友人のアヤにそれを紹介すると、二人でチャレンジすることになった。ある日の夜、マイコの家で、古びたぬいぐるみ「ユズ」に彼女たちの髪の毛を詰め、儀式を開始した。

「ユズ、私たちとかくれんぼをしよう。あなたが鬼ね」と言って、ユズを隠し、二人は別の部屋で隠れた。

しばらくして、足音のようなものが聞こえてきた。アヤは興奮気味に「本当に動くの?」とマイコに耳打ちした。しかし、時間が経つにつれ、その音は消えていった。

「終わったみたい」とアヤが言い、二人はユズの隠れていた場所へと向かった。ユズは以前の場所から動いておらず、少し拍子抜けした二人は、儀式を終了し、マイコの部屋で夜更かしを楽しんだ。

しかし、夜が明けてマイコが目を覚ますと、彼女のベッドの横にユズが座っていた。驚きのあまり、マイコはアヤを起こし、二人でユズをゴミ箱に捨てた。

数日が経過し、事件は忘れ去られた。しかし、ある晩、マイコが一人で寝ていると、足元から「まだ終わってないよ?」という声が聞こえてきた。驚いてベッドから顔を出すと、ユズがベッドの下から手を伸ばしてきていた。

マイコは悲鳴を上げて部屋を飛び出し、両親に全てを打ち明けた。両親はマイコをなだめつつも、ユズを家の外に捨て、家を祓ってもらった。

その後、マイコ家には何も異変は起こらなかったが、アヤの家では夜な夜な奇妙な音がするようになった。そしてある日、アヤが学校を休んでしまった。マイコが心配して彼女の家を訪れると、彼女の部屋の床に、ユズと同じぬいぐるみが複数散乱していた。

マイコはアヤに何が起こったのかを尋ねると、アヤは涙を流して「ユズが私の夢の中に現れ、『ひとりかくれんぼ、まだ終わってないよ』と囁いてくる」と語った。

マイコはアヤをなだめると共に、再び祓いを頼むことにした。しかし、その夜、マイコの夢の中にもユズが現れ、彼女に囁いた。

「ひとりかくれんぼは、まだ終わってないよ。」



短編の怖い話

ABOUTこの記事をかいた人

怖い話.com

怖い話が好きでブログ更新してます。 オカルト、怖い話、ホラーのジャンルが好きな方にオススメのブログです。