古美術店で見つけた一つの小さな宝石が、ミサキの日常を一変させた。赤く、微かに光を放つその宝石は、店主から「かつての王家に仕えていた魔女によって呪われたもの」という言い伝えがあると聞かされた。しかしそれはミサキにとってただの物語に過ぎなかった。
数日後、ミサキの身の回りで奇妙な出来事が頻発するようになった。彼女の周りの物が突如として動き出したり、夢の中で不気味な女性に脅されたりするようになった。そして、彼女の友人の一人が突然行方不明になった。
心配したミサキはその友人の家を訪れると、部屋の中央に呪われた宝石が浮かび上がっていた。驚きながらもその宝石を手に取ろうとした瞬間、彼女の前に薄気味悪い女性の姿が現れた。
「これは私のもの。手を出すな」と、女性は言った後、ミサキは気を失った。
目を覚ましたミサキは自宅にいた。周りを見渡すと、呪われた宝石はどこにも見当たらない。安堵した彼女はベッドに横になると、ふと枕元に手紙が置いてあるのを見つけた。内容は「私のものを返せ。それまで私は離れない」というものだった。
急いで古美術店に駆け込むミサキ。店主に事の次第を説明すると、彼は慎重に宝石の箱を取り出してきた。ミサキは箱を開けると、中には赤く輝く宝石が安置されていた。しかし、その隣には友人の写真が置かれていて、その背後には奇妙な符文が記されていた。
店主は、この宝石を手に入れるためには呪詛の代償として何かを犠牲にしなければならないと語った。ミサキは泣き崩れる中、自らの命を代償として宝石に捧げる決意を固めた。
しかし、その瞬間、店のドアが開き、行方不明になっていた友人が現れた。彼女はミサキの手から宝石を取り上げ、店主に返して言った。
「私はあの女性に連れ去られた。しかし、彼女は私を解放してくれた。彼女は宝石の真の価値を知っている」と。
ミサキは友人とともに店を後にし、二人は再び日常を取り戻した。しかし、ある日、ミサキが自宅に帰ると、ドアの前に小さな箱が置かれていた。中を開けると、赤い宝石とともにメモが添えられていた。
「まだ終わってないよ?」という文字がそこには記されていた。