【怖い話】​シミの秘密

短編の怖い話



彩は、ある日突然、左手の甲に小さな黒いシミを発見した。初めは気にしなかった彩だったが、日に日にそのシミは大きくなっていくのに気が付いた。シミが大きくなるのと同時に、その周りの肌がピリピリと痛むようになった。

彩は病院を訪れ、シミの治療を受けることになった。医師は特に危険な症状ではないと言いながらも、レーザー治療を勧めてきた。

治療の日、彩は少し緊張して待合室に座っていた。彼女の隣には、中年の男性が座っていて、彼の顔にも同じようなシミが見られた。彩は彼に話しかけた。

「そのシミ、痛みますか?」

男性は彩を見つめ、淡々と答えた。「ああ、これはただのシミじゃないんだ。」

彩は驚きながら、どういう意味かと男性に質問した。男性は彼のシミの由来を語り始めた。

「数年前、私はある村で考古学の調査をしていた。村の伝承には、神に選ばれた者だけがその印を持つという言い伝えがあった。私はその伝承を信じていなかったが、調査中に神社の古文書を見つけ、その文書にはシミのことが詳細に書かれていた。それによると、シミは神からの印で、持つ者は特別な力を持つとされていた。しかし、その力を正しく使わない者は、シミが次第に広がり、最後は全身を覆い尽くし命を奪われると言われていた。」

彩はその話を聞きながら、自分のシミを心配するようになった。

治療が終わり、彩は家に帰った。しかし、その夜から彩の夢には、謎の神が現れ、彩に特別な力を授けると告げる夢を見るようになった。彩はその力で、人々の心の中を読むことができるようになった。

彩はその力を使い、人々の悩みを解決していった。しかし、次第に彩のシミは広がり、彩は男性の言葉を思い出した。彩は神に祈り、シミを取り去ってほしいと願った。

ある日、彩は再びその男性に出会った。男性は彩を見つめて言った。「シミの力を正しく使ったか?」

彩は泣きながら、その力を人々のために使ったことを告げた。すると、男性は微笑みながら言った。「それなら、お前のシミは消えるだろう。」

その後、彩のシミは徐々に小さくなり、ついには消えてしまった。彩は感謝の気持ちで満たされ、以後、自分の持つ力を大切に生きることを誓った。



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