【怖い話】ふみこさんの呪い

短編の怖い話



都市伝説や古い話を好む高校生の真理は、ある日、友人から「ふみこさん」という伝説を聞いた。伝えられるところによれば、50年前にこの町で起こった不可解な失踪事件に関連するものだった。犠牲者は全員、事件の直前に「ふみこさん」という老婆を見たという共通点があった。

真理は興味を持ち、友人たちとその伝説の真相を探ることに。調査を進めるうち、彼らは廃屋と化した古びた家を発見。その家の前には、薄暗い灯りの下、何枚もの古い写真が飾られていた。その中心には、にっこりと笑った老婆の顔写真が。その名前は「ふみこ」。

真理たちは、家の中へと進んだ。足元から感じる冷たい風、壁には古びた新聞の切り抜きが張り付けられていた。記事には「失踪事件続出、犠牲者は老婆を目撃」という見出しが。

友人の一人が、突然、背後から手を取られたと叫ぶ。振り返ると、その手の主はふみこさんの写真にそっくりな老婆だった。彼女は、静かに微笑みながら、真理たちに近づいてくる。

恐怖に駆られた真理たちは、家を逃げ出そうとしたが、出口はどこにも見当たらない。老婆の笑顔が、部屋の隅々に広がっていた。真理たちは気が付いた。彼らは、ふみこさんの写真の中に取り込まれていたのだ。

真理は、必死に叫びながら、友人たちと写真の外へと逃げ出そうとしたが、老婆の手が彼らの足を掴んだ。そして、ふみこさんの声が響き渡った。「あなたたちも、私の一部になってくれるのね。」

翌日、真理たちは姿を消していた。しかし、廃屋の前には新しい写真が追加されていた。写真の中で、恐怖の表情を浮かべる真理たちの姿が…。



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