【怖い話】404号室

短編の怖い話



都市伝説として知られる404号室の噂を耳にしたカズヤは、度胸試しとして一晩だけそこに泊まることを決意した。ホテル側は猛反対したが、彼の執念に負けて誓約書にサインさせ、部屋を貸し出すことになった。

部屋に入ると、カズヤは何も変わったことは感じられず、リラックスしてベッドに腰掛けた。しかし、まもなく部屋の電話が鳴った。

「退室されますか?」フロントの女性の声が聞こえた。

「何を言ってるんですか?今、入ったばかりですよ。」とカズヤは返答。

電話を切ると、突如として部屋の窓が勢いよく開き、冷たい風が部屋に吹き込んだ。同時に、部屋の明かりが全て消えた。暗闇の中で彼はブレーカーを探し、電気を再度つけた。そして再び電話が鳴った。

「もう帰れません。永遠に…」女性の声は低く、重くなり、その後すぐに切れた。

パニックになったカズヤは、速やかに部屋を出ようとしたが、扉は全く動かない。必死に扉を叩くも、反応はなく、部屋からの脱出は不可能と感じた。

窓から外を見ると、外はまるで別の世界。雲の上を漂うような感覚になり、彼はこの部屋が普通の部屋ではないことを確信した。

夜が更け、カズヤは疲れ果ててベッドに倒れ込んだ。目を閉じると、404号室で起きた過去の出来事の断片的な映像が脳裏を過ぎった。失われた多くの人々の顔、声、そして悲鳴。彼はその中に自分も取り込まれていくような感覚に襲われた。

朝、ホテルのスタッフが心配して404号室を確認すると、カズヤは深い眠りについていた。彼を起こそうとしても、まるで眠り姫のように目覚める気配はなかった。彼は、404号室の次の犠牲者となってしまったのだった。



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