築50年の古いアパート。その一室で起きたのは、住人の謎の失踪事件だった。最初は単なる行方不明と思われていたが、その後入居した人々も次々と姿を消した。地元では「呪われた部屋」と噂され、警察も手を出せない状況になっていた。
そのアパートに興味を持った大学生の健太は、友人たちと共に調査を始める。彼らはまず、その部屋の前の住人たちが残した日記やメモを集め、その中から奇妙な共通点を発見した。「時々、部屋の配置が変わる」「壁の位置がおかしい」などの記述があった。
健太たちはアパートに宿泊し、部屋の変化を記録し始めた。ある夜、彼らは気付く。アパートの廊下の一角に、普段はないはずの扉が現れていた。その扉は薄暗く、何かを感じさせる重厚なものだった。
好奇心に駆られた健太は扉を開け、中に入る。部屋は異様に寒く、時間が停止したかのような静寂が支配していた。壁には奇妙な模様が描かれ、部屋の中心には古びた椅子が一つだけ置かれていた。
部屋の中で健太が感じたのは、目に見えない圧倒的な恐怖だった。彼は部屋から逃げ出そうとしたが、扉は動かない。部屋の中でパニックに陥り、彼は悲鳴を上げ続けた。
その頃、健太の友人たちは彼が部屋に入ったことに気づき、扉を叩き続けていた。しかし、いくら叩いても、扉は開かなかった。友人たちは助けを求めて警察を呼んだが、警察が到着したときには、その謎の扉はすでに消えていた。
健太は行方不明となり、アパートは一層、悪名を高めた。その後、霊能者がアパートを訪れた際、彼女はすぐに体調を崩し、「ここには入ってはならない…あなたも時間がない…」と言い残して倒れた。
それ以降、そのアパートは閉鎖され、人々は誰も近づかなくなった。しかし、今でも、そのアパートの廃墟には、時折、扉が現れると言われている。そして、その扉の向こうからは、健太の絶望的な叫び声が聞こえてくるという。